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突然ですが、童話です。 創作童話「トマト」

「訪問リハ日記」とやらを続けて書いていますが、私自身ちと飽きてしまいました。リハの内容なんてそんなに変わらないですよねえ。まあリハはとにかく続けることが大切なんですが…。そこでここは一つお口直しということで私が書いた創作童話を紹介してみたいと思います(オイオイ、いきなり童話かい!)。素人の童話なので本当に下手です。とにかく好きなだけで書いてしまいました。お口直しにならなかったらごめんなさいです(ニコ)。それでは退屈して倒れないようにしばらくお付き合い下さい。

          「トマト」
 いいヤツなんだ、大ちゃんは。信ちゃんは大ちゃんと遊んでいてもちっとも面白くないと言って嫌がるけどね。信ちゃんが面白くないと言うのは大ちゃんのあまりしゃべらないところが嫌なんだそうだ。確かに大ちゃんは無口でおとなしい。小学校に入った頃はとっても大きな声で話すし明るくゲラゲラ笑う子だったらしい。だけど二年生になった頃から急に今のようになったんだとずっと同じクラスだった信ちゃんがそう言ってた。どうしてしゃべらない子供になってしまったのかって?。これも信ちゃんがお母さんから聞いたという話なんだけど、大ちゃんのお父さんとお母さんは仲が悪くてね、いつも喧嘩ばかりしてるんだって。そして怒ったお父さんは大ちゃんと妹のさっちゃんをひどく叱るらしいんだ。大人のことはよくわからないけどかわいそうだよ大ちゃん達は。僕は三年生になった時初めて大ちゃんと同じクラスになったんだけどね、やっぱりすごくおとなしかった。誰でも最初はペチャクチャしゃべらないから大ちゃんもきっとそうなんだと思ってた。でもいつまで経ってもみんなと遊ばないんだよ。いつも自分の席にいてじっとしてるんだ。みんなは暗いヤツだと嫌がったけどね。だけど僕は何となく大ちゃんが好きなんだ。それは「大ちゃん!、遊ぼうや」と声をかけるとこっちを見てすごく恥ずかしそうにニッコリするんだ。その笑顔はとってもやさしそうなんだよ。でも大ちゃんはすぐに下を向いてじっとしてるからみんなは遊びたくないのかなと思ってたんだ。ある日僕はいつものように机のそばにいた大ちゃんに「ねえ遊ぼう!」と声をかけた。ニッコリする大ちゃんの顔を見つけるとすかさず「よしサッカーだ!」と大ちゃんの身体を押して中庭に出たんだ。僕は大ちゃんに向かって軽くボールを蹴った。ちょっと横にそらし慌ててボールを取りに行った大ちゃんはまた恥ずかしそうに笑うと下を向いた。「よーし!、じゃこっちこっち」の声に顔を上げた大ちゃんはボールをそっと蹴り返した。
 大ちゃんはこんなところもあるんだよ。クラスのみんなで植えたミニトマトが中庭にあるんだけど、その世話を大ちゃんはやってるんだよ。水をやりながらトマトが早く大きくなりますようにとお願いしてるんだって。トマトの世話はみんなでやることになってるんだけど、みんなはいつも忘れてしまってる。それを大ちゃんだけは決して忘れずに一人でやってるんだ、それも毎日だよ。先生はそんな大ちゃんを見て「大ちゃんはやさしいね」といつも声をかけてくれる。すると大ちゃんはとても恥ずかしそうにニッコリ笑うとまた下を向いてしまう。そんな時の顔はちょっと赤いかな。
 ある日僕は大ちゃんから秘密の話を聞いたよ。それは大ちゃんがいつもミニトマトの世話に頑張っている理由だったんだ。大ちゃんのお父さんはミニトマトが大好きなんだそうだ。赤くかわいく実ったミニトマトをお父さんに食べてもらいたいらしいんだ。”ふーんそうかあ、やっぱり大ちゃんはやさしい子なんだ”。僕は母の日などに送るプレゼントにいつも付けている手紙のことを大ちゃんに話した。手紙を見るとお母さん達は何かやさしくなるような気がするよとこっそり教えてあげた。「でも何を書けばいいのかわからないよ」と困ったような顔でポツリと言った大ちゃんに僕はこう答えた。「大ちゃんが今思ってることをそのまま書いたらいいんだよ。僕はいつも”ありがとう”だけだよ」。大ちゃんはぎゅっと力を入れて結んだくちびるを少し上に向けた。
 ミニトマトはかわいらしい実をつけたよ。少し緑が残ったところもあったけどほとんどが赤い色をつけた。クラスのみんなで収穫したミニトマトを好きな数だけそれぞれ取ったんだ。大ちゃんは十個取ったらしい。お父さんとお母さんにはそれぞれ四個ずつ、そして残りは大ちゃんとさっちゃんで一個ずつなんだそうだ。大ちゃんは両手にそっと乗せたミニトマトをじっと見つめてたよ。
 あくる日の朝、僕が信ちゃんとサッカーをしてると向こうから大ちゃんが全速力で走って来るのが見えた。その顔はもうメチャクチャの笑顔なんだ。「トマトあげたの?」と尋ねると「あげたよ、ちゃーんと手紙もつけたんだ」と大ちゃんの声はとっても明るく大きかった。”お母さんと仲良く食べてね”と書いた手紙を見たお父さんはじっと大ちゃんの顔を見つめて「ありがとう!」と言うと頭を痛いくらいに撫でてくれたそうだ。大ちゃんはいっぱいの笑顔でしっかり僕らを見て早口で次々にしゃべった。「ねえ、僕も入れてよ!」。信ちゃんと僕は同時に顔を合わせ目を丸くした。「昔の大ちゃんだ」と信ちゃんが小さく言った。「よし、一緒にやろう!」。僕は大ちゃんに軽くボールをパスした。

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未分類 | 11:24:40 | Trackback(0) | Comments(0)
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