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突然ですがまた童話です。 創作童話「チュン友」
     創作童話 「チュン友」
 チュン食をさっさと済ませたみんなはもうとっくの昔に外へ出て遊んでいるというのに、すず平だけはまだ席に座って口をモグモグさせています。そんな様子を窓越しに見つけたみんなは一斉にまたからかい始めました。「おいまだ食ってるのかよ。ったくトロイんだよなすず平は」、「そうだよなあ、何をやってもトロイしその上ダサイと来りゃもうどうしようもないぜ」。などなどみんなは口々に嫌味なことを言っているのです。なるほどすず平はチュン語の本を朗読させてもシドロモドロでまともに読めないし、チュン楽の時間で歌ってみれば音はずれ。それに チュン作の時間で巣作りをやってはボロボロで、チュン体では動作が鈍くいつも取り残される始末なのです。おまけに身体が小さいし、着ている羽根の色がみんなのものとはちょっと違って黒っぽい感じがするのです。そんなこんなですず平は何をやっても何処に居ても目だってしまうわけです。
 すず太はそんなすず平とは幼なじみです。巣が近いということで小さい頃からよく一緒に遊んでいました。ある日すず平のお母さんは地面に落ちていたお米を拾おうとして下へ降りた瞬間、突然走って来た車にひかれて泣くなってしまったのです。すず平はすごくすごく泣きました。毎日お墓に行きちっちゃなお花をお供えしてお参りしました。そんなすず平の姿をいつも見ていたすず太は今まで以上にすず平と仲良く遊んだのです。しばらくするとすず平とすず太はみんなと一緒に「すずめの学校」へ入学しました。でも学校に慣れて来るとみんなはすず平のことを何かにつけてバカにしたようにからかい始めたのです。そんな中いつも仲良く一緒に遊んでいたすず太でしたが、いつの間にかそっと離れてしまい遊ばなくなったのです。特に理由はなかったのです。でもすず平と一緒に居るだけでみんなの態度は冷たく感じたのです。「すず平ごめんね。仕方ないんだ」、すず太は心の中で小さく言いました。
 冬の寒い日、恒例となっている「持久飛行大会」が今年も始まりました。これはすずめの飛行力を鍛える為に毎年この時期に行われているものですが、何と言ってもかなりキツイのでみんなとても嫌がる行事なのです。すず太も苦手です。出来るものなら今日は仮病で休みたいほどなのですがそうも言っていられません。暗い気持ちで学校に着くと、みんなもそれぞれ緊張した様子です。明るくしているのはいつもみんなを仕切っているすずめっ子の親分「すず吉」くらいです。彼はとても身体が大きくて、チュン体とチュン食の時間だけが生きがいという単純なヤツです。このすず吉がいつも先頭に立ってすず平に嫌味なことを言っているのです。
 いよいよ「持久飛行大会」がスタートしました。学校を出てから村はずれのお寺まで行ってそこの鈴を鳴らして戻って来るという長距離です。すず太はどうにかみんなについて行っていましたが、突然お腹が痛くなって来てついに地面に落ちてしまいました。しばらくすると最後尾から飛んで来たのはすず平です。すず平は倒れているすず太を見つけるとすばやく降りて来ました。「おいすず太大丈夫か?」と声を掛けました。「うん大丈夫だ」と答えると「よし一緒に飛ぼう」と彼はすず太の身体を支えてくれたのです。やっと立ち上がってまた飛び始めました。時々フラついて落ちようとしましたが「頑張れすず太」とすず平は声を掛けて励ましてくれたのです。しばらく飛んで行くとまた誰か地面に落ちています。それはあのすず吉でした。誰かとぶつかってバランスを失い落ちてしまったらしいのです。彼はケガをしていました。それを見たすず平はまたすばやく下へ降りて声を掛けたのです。「すず吉君飛べるかい?」。「アッすず平か」と彼はかなり驚いた様子です。「さあもうちょっとだよ、頑張って飛ぼう」とすず平は力強く言ったのです。「クソッ、みんなは俺を見捨てて行きあがった」とすず吉は悔しそうに言っています。「おいすず平、お前は何故俺なんかを?」と尋ねるすず吉に「困っている時は何とかしてあげなきゃね」とすず平は優しく言いました。そのやり取りを横で聞いていたすず太はとても恥ずかしい気持ちになりました。「困っている時に助けてくれるのが本当の友達なんだよね」、すず太はその言葉を心の中で何度も繰り返しました。
 キンコンカンコーン。すず平はチュン食をまだ食べています。「おいすず平、お前はまあだ食ってるのかよ。ったく遅いヤツだよなあ」と後ろから声をかけたのはすず吉でした。「でもそれはお前の個性というものなんだよな。とにかく早く食ってしまえよ。外でみんな待ってるからな!」。外では冬の太陽がとっても温かそうに輝いていました。
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未分類 | 10:32:46 | Trackback(0) | Comments(0)
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